秒速5センチメートルとは新海誠監督作品の2007年に公開された映画のタイトルである。その題意は桜の散る速度とのこと。ちょうど今の季節になると思い出してしまう映画でもある。
この映画は、人によっては不評で、結末にも不満がある人が一定数いるようだ。
ちなみに僕はこの映画の結末には十分満足している。
個人的な嗜好で申し訳ないのだが、映画は映像と音楽が重要であると考えているので、この映画の終盤の山崎まさよしさんの歌と畳み掛けるような映像で十分満足なのである。まるでミュージックビデオのような映像を見るためにストーリーが準備されていると思っている。
映画の解釈は様々あって良いと思うが、一つには行動を起こす勇気を持てというメッセージを感じた。
漫画版の方で印象深いセリフがある。主人公と種子島の中学で同じクラスになった少女である花苗の姉が、花苗本人に「手に入らないのに諦めきれなくて現実的な幸せを邪魔するなら近くまで行って正体を見てくるのが一番なんじゃない」と悟すところがあるが、何かに対してぼんやりするなら、明確にするために行動する必要があるということでしょう。
例えば、大学受験を目指している高校生は、その大学に憧れているだけではなく実際にそこに行ってみた方が良い。そうすると、気合が入ってより勉強するかもしれないし、憧れが落胆に変化して志望校を変えてしまうかもしれない。笑
その点、地方に住んでいる高校生は首都圏にある大学進学に関して不利でかわいそうと思う。気軽に見学に行けそうな距離ではないので、イメージがつかないからだ。
ラストシーンでは、踏切での小田急線の通過後、主人公の貴樹は何かを決心したように笑みを浮かべながら静かに歩き出すわけで、バッドエンドではなく、むしろハッピーエンドだと思う。
なぜ、主人公が過去を振り切って前身できたのだろうか?いろいろ考えられるかもしれないが、ひとつはっきり言えることは行動を起こさないと何も変化は起きないことだ。そして、行動の結果を通して人は一瞬で変われるということを示唆しているとも言える。