パニック障害とは
心理的ストレスもきっかけになりますが、寝不足等含め体調のコンディションが悪い時にも出現する事があります。
最初に発作が起こった場合には、不安感が強まり、不安感のループが形成されます。最初の段階で上手にお薬を使うことで、不安感のループを断ち切る事が大事と思います。
パニック障害は理由もなく、突然に動悸やめまい、息が詰まる、嘔気、手足のふるえなどのパニック発作を起こし、それが原因で生活に支障が出ている状態をパニック障害と言います。パニック障害は決して珍しい病気ではなく、一生涯で1000人中6-9人に発症するとされています。また、男性よりも女性に発症しやすいとされています。
パニック障害は、突然の恐怖や不安が襲う精神疾患の一つです。この障害を持つ人は、予測不能な「パニック発作」に見舞われることが特徴です。発作は数分から数十分間続くことが多く、その間に心臓のドキドキ、発汗、震え、呼吸困難などの症状が現れます。これらの症状は非常に強いもので、時には死の恐怖を感じるほどです。
<パニック障害の症状>
1.パニック発作
パニック障害の最も特徴的な症状は、パニック発作です。パニック発作は初期から見られる症状で、予期せず繰り返されることが特徴的です。パニック発作は予期できませんので、通学中に突然起こったり、寝ている間に起こったりすることもあります。
パニック発作は、突然かつ明確な原因なく発生します。発作中には以下のような身体的、感情的症状が現れることがあります。
- 心拍数の増加
- 恐怖感
- 胸の痛みや圧迫感
- 息苦しさや窒息感
- めまいやふらつき
- 冷や汗、震え、または熱感
2.予期不安
パニック発作は予期できませんし、繰り返すため、「このままでは死んでしまう」「また発作が起きてしまう」と考えるようになります。この「パニック発作が起こるかもしれない」という不安感を予期不安と言います。
3.広場恐怖
ある特定の場所に行くと、パニック発作が起きそうな気がするため、その場所を避けるようになります。これを広場恐怖といい、その場所は人によって異なります。公園などの広場だけでなく、電車内やジム、スーパーなどが具体例として挙げられます。この広場恐怖が強くなると、外出することすらできなくなり、引きこもりがちになることも少なくありません。
これらの症状以外にも、予期不安や広場恐怖が強くなり、抑うつ状態になることもあります。
<パニック障害の診断>
パニック障害の診断は、医師が患者の症状や病歴を詳細に聞き取り、他の医学的原因が重なっていないかどうか調べる事から始まります。心臓病や甲状腺異常など、似た症状を引き起こす他の病気がないかを確認するために、血液検査や心電図などが行われることもあります。
<パニック障害の治療>
パニック障害の治療の目的は、パニック発作を起こさないこと、そして予期不安や広場恐怖があれば軽減させることです。この目的のために薬物療法や精神療法を行います。
薬物療法
パニック障害に対してよく使われる薬剤は、選択的セロトニン再取込み阻害薬(SSRI)や抗不安薬です。これら薬剤の効果は人によって違うので、効果を確認しながら量や内服回数を調整します。薬物療法を望んでない方は、当院以外のカウンセリングを有する医療機関にご相談下さい。
精神療法
パニック障害では、薬物療法に加えて精神療法を行うことが重要です。特に、認知行動療法や曝露療法などが有効とされています。認知行動療法は、何か出来事に対して悲観的に物事を考えてしまう癖を改善し、パニック障害を悪化させる思考を断つ方法です。一方で、曝露療法は広場恐怖を引き起こす場所に対して、あえて直面することで、不安や恐怖感に徐々に慣れてもらうことで軽減する方法です。薬物療法を望んでない方は、当院以外のカウンセリングを有する医療機関にご相談下さい。
<パニック障害の生活上の対策>
日常生活でストレスを管理し、規則正しい生活を心がけることも重要です。適度な運動、健康的な食事、十分な睡眠が推奨されます。また、アルコールやカフェインの摂取を控えることも、症状の悪化を防ぐために役立ちます。