パニック障害とは
パニック障害は理由もなく、突然に動悸やめまい、息が詰まる、嘔気、手足のふるえなどのパニック発作を起こし、それが原因で生活に支障が出ている状態をパニック障害と言います。パニック障害は決して珍しい病気ではなく、一生涯で1000人中6-9人に発症するとされています。また、男性よりも女性に発症しやすいとされています。
パニック障害の症状
1.パニック発作
パニック障害の最も特徴的な症状は、パニック発作です。パニック発作は初期から見られる症状で、予期せず繰り返されることが特徴的です。パニック発作は予期できませんので、通学中に突然起こったり、寝ている間に起こったりすることもあります。
2.予期不安
パニック発作は予期できませんし、繰り返すため、「このままでは死んでしまう」「また発作が起きてしまう」と考えるようになります。この「パニック発作が起こるかもしれない」という不安感を予期不安と言います。
3.広場恐怖
ある特定の場所に行くと、パニック発作が起きそうな気がするため、その場所を避けるようになります。これを広場恐怖といい、その場所は人によって異なります。公園などの広場だけでなく、電車内やジム、スーパーなどが具体例として挙げられます。この広場恐怖が強くなると、外出することすらできなくなり、引きこもりがちになることも少なくありません。
これらの症状以外にも、予期不安や広場恐怖が強くなり、抑うつ状態になることもあります。
パニック障害の治療
パニック障害の治療の目的は、パニック発作を起こさないこと、そして予期不安や広場恐怖があれば軽減させることです。この目的のために薬物療法や精神療法を行います。
薬物療法
パニック障害に対してよく使われる薬剤は、選択的セロトニン再取込み阻害薬(SSRI)や抗不安薬です。これら薬剤の効果は人によって違うので、効果を確認しながら量や内服回数を調整します。
精神療法
パニック障害では、薬物療法に加えて精神療法を行うことが重要です。特に、認知行動療法や曝露療法などが有効とされています。認知行動療法は、何か出来事に対して悲観的に物事を考えてしまう癖を改善し、パニック障害を悪化させる思考を断つ方法です。一方で、曝露療法は広場恐怖を引き起こす場所に対して、あえて直面することで、不安や恐怖感に徐々に慣れてもらうことで軽減する方法です。
これら薬物療法と精神療法を組み合わせて、パニック障害の治療を行います。