📞 TEL

軽症うつ病

目次

軽症うつ病について知っておきたいこと

「最近、なんだか気分が晴れない…」
「今まで楽しめていたことが、楽しめない…」
「もしかして、うつ病なのかな?」

そんな風に感じて、不安な気持ちでこの文章を読んでくださっているかもしれません。

ここでは「軽症うつ病」について、そして、あなたが少しでも心穏やかに過ごすためのヒントをお伝えします。これは決して「気のせい」や「甘え」ではなく、専門家のサポートによって回復できる状態です。

もしかして?軽症うつ病のサイン

軽症うつ病の症状は、日常生活の中で「ちょっとした不調」として現れることが多く、見過ごされがちです。もし、以下のようなサインが2週間以上続いているなら、注意が必要かもしれません。

こころのサイン

  • □ 気分が落ち込む、理由もなく悲しくなる
  • □ やる気が出ない、何をするのも億劫(おっくう)に感じる
  • □ 好きなことや趣味を楽しめない
  • □ イライラしたり、焦りを感じたりする
  • □ 集中力が続かない、物事を決められない
  • □ 自分を責めてしまう、「自分はダメだ」と感じる

からだのサイン

  • □ なかなか寝付けない、夜中や朝早くに目が覚める
  • □ 逆に、眠りすぎてしまう
  • □ 食欲がない、または食べ過ぎてしまう
  • □ 体が重い、だるい、疲れやすい
  • □ 頭痛や肩こり、めまい、動悸がする

これらの症状は、心と体が「少し休んで」と送っている大切なサインです。

なぜ軽症うつ病になるの?

軽症うつ病は、特定の原因一つで発症するわけではありません。多くの場合、ストレスや環境の変化、ご本人の性格傾向などが複雑に絡み合って起こります。

  • ストレス: 仕事のプレッシャー、人間関係の悩み、家庭の問題など
  • 環境の変化: 引っ越し、転職、昇進、結婚、出産、身近な人との別れなど
  • 性格傾向: 真面目で責任感が強い、完璧主義、人に頼るのが苦手など

このような出来事がきっかけで、脳のエネルギーが不足し、感情や意欲をコントロールする働きが弱ってしまう状態、それがうつ病です。

焦らないで。軽症うつ病の治療

軽症うつ病の治療で最も大切なのは、**「早期に気づき、適切に対処すること」**です。放置すると症状が長引いたり、本格的なうつ病に移行したりすることもあります。

治療の柱は、主に以下の3つです。

  1. 十分な休養
    何よりもまず、心と体を休ませることが大切です。「何もしない」ことに罪悪感を感じる必要はありません。休むことは、回復に向けた最も重要な治療の一つです。
  2. 精神療法(カウンセリングなど)
    医師やカウンセラーといった専門家と対話を重ねることで、ご自身のストレスの原因や考え方の癖に気づき、気持ちを整理していく治療法です。一人で抱え込んでいる悩みを話すだけでも、心は軽くなります。
  3. 薬物療法
    必要に応じて、不足した脳のエネルギーを補い、症状を和らげるお薬(抗うつ薬など)を使います。お薬に不安を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、医師があなたの状態に合わせて慎重に処方します。依存性なども考慮されていますので、不安な点は遠慮なくご相談ください。

日常生活で心がけてほしいこと

治療と並行して、毎日の生活の中で少しだけ意識を変えることも、回復の助けになります。

  • 完璧を目指さない: 「100点じゃなくて80点でOK」と考えてみましょう。
  • 自分を責めない: 今の不調はあなたのせいではありません。病気の症状だと理解しましょう。
  • できるだけ規則正しい生活を: 決まった時間に起き、食事を摂ることは、心身のリズムを整えます。
  • 軽い運動: 無理のない範囲で散歩をするなど、少し体を動かすと気分転換になります。
  • 重大な決断は先延ばしに: 心が疲れているときは、判断力が低下しがちです。転職や引っ越し、大きな買い物などの決断は、元気になってから考えましょう。

一人で抱え込まず、まずはご相談ください

「こんなことで病院に来ていいのかな…」と思う必要は全くありません。
あなたのその「つらさ」に耳を傾け、一緒に解決策を探していくのが、私たち専門家の役割です。

軽症うつ病は、適切な治療と休養によって、必ず回復に向かうことができます。
どうぞ一人で抱え込まず、あなたの今の気持ちを私たちに話してください。一緒に、元気な毎日を取り戻すための一歩を踏み出しましょう。

軽症うつ病に関するよくある質問

Q1. 軽症うつ病とは、どんな状態ですか?

回答を読む

軽症うつ病は、気分の落ち込みや意欲の低下が続く状態ですが、日常生活はある程度こなせるレベルのうつ病です。気のせいや甘えではなく、心の疲労による状態です。

Q2. 軽症うつ病と本格的なうつ病は何が違いますか?

回答を読む

主に症状の強さと生活への支障の度合いに違いがあります。軽症うつ病では仕事や家事をなんとか続けられるケースが多いですが、放っておくと悪化することもあります。

Q3. 気分が落ち込むだけで病院に行ってもいいの?

回答を読む

もちろん大丈夫です。「なんとなくつらい」「朝がしんどい」といった早い段階での相談は、悪化の予防にもつながります。気軽にご相談ください。

Q4. 軽症うつ病では薬を使いますか?

回答を読む

症状や生活状況によって異なります。薬を使わずに生活習慣の見直しやカウンセリングから始めることもあります。必要に応じて少量の薬を検討する場合もあります。なんとか仕事は続けたい場合は、積極的にお薬のサポートをかりるのもありだとおもいます。

Q5. 軽症でも放っておくと悪化しますか?

回答を読む

はい。心の疲労が蓄積すると、中等度・重度のうつ病に進行する可能性があります。早めに対処することで、より短期間での回復が期待できます。

文責:院長(医学博士、日本専門医機構認定精神科専門医、精神保健指定医)

監修:メディカルクリニックルナ東京

参考記事

「最近なんだか気分が落ちる」それは軽症うつ病かもしれません|心療内科がやさしく解説します

目次