急に心臓がドキドキして、息が苦しくなり「このまま死んでしまうかも」と感じたら——それはパニック発作かもしれません。東京駅近くの心療内科「メディカルクリニックルナ東京」では、そんなときにまず行ってほしい3つの具体的な対処法を、医療の視点でわかりやすく解説します。
パニック発作が起きたとき、まずするべき3つのこと
息ができない、心臓がバクバクする…そのとき、どうすればいい?
はじめに:突然の「パニック発作」、あなたは悪くありません
「急に呼吸が苦しくなって、心臓がバクバクして、このまま倒れるかと思った」
「救急車を呼ぼうか迷ったけど、検査では異常なし。どうして?」
そんな経験はありませんか?
それは「パニック発作」と呼ばれる状態かもしれません。
命に関わるものではありませんが、発作中は、本当に死ぬかもというほどの強烈な不安に襲われます。
このコラムでは、実際に発作が起きたときにどう対処すればよいか、すぐに試せる3つの方法をご紹介します。
1.「これはパニック発作だ」と気づくこと
パニック発作の最初の特徴は「今までに感じたことのない強烈な身体症状」です。
- 動悸、息切れ
- 胸の圧迫感や痛み
- めまい、ふらつき
- 手足のしびれ
- 「このまま死んでしまうのでは」といった恐怖
こうした症状が突然襲ってきても、身体に重大な異常が起きているわけではないことがほとんどです。
👉 「これはパニック発作だ」と自分に言い聞かせることが、第一のステップです。
これは病気の一種であり「自分がおかしくなったわけではない」と理解することが、安心への第一歩になります。
2. 呼吸をゆっくり整える(特に「吐くこと」を意識)
発作時は、無意識に呼吸が浅く・早くなりがちです。
これがさらに不安を悪化させ、過呼吸や酸素不足の感覚を引き起こします。
🌿やるべき呼吸法(とても簡単です):
- 鼻からゆっくり息を吸う(3秒)
- 口をすぼめて、細く長く息を吐く(5〜7秒)
👉 「吸うより、吐く時間を長くする」のがポイントです。
吐くことで副交感神経が優位になり、身体の緊張がほぐれます。
💡コツ:ティッシュを1枚持って、それがふわっと動くくらいの強さで吐くイメージでもOKです。
3.「今ここ」に意識を戻す(グラウンディング)
発作の最中、意識は「未来の恐怖」や「最悪の想像」に飛びがちです。
そんなときに有効なのが、今この瞬間の感覚に戻す方法=グラウンディングです。
✔ 具体的なやり方
- 足の裏で床の感触を感じる
- 指でテーブルを軽くタップする
- 周囲にある「青いもの」を3つ探す
- 自分の手をぎゅっと握って、ゆっくり開く
👉 身体の感覚に集中すると、不安のスパイラルから少しずつ離れられます。
「また起きたらどうしよう」が一番つらい
パニック発作の本当のつらさは、「また起きるかもしれない」という予期不安です。
その不安によって外出が怖くなったり、人との約束を避けてしまったりする方も少なくありません。
💡ですが、パニック障害は適切なサポートを受ければ改善できる症状です。
症状が軽いうちに、ぜひ一度専門機関に相談することをおすすめします。
🏥当院では、軽度のパニック発作のご相談も可能です
「一度だけだけど不安だった」
「発作があったあと、外出が怖くなった」
そんなご相談でも構いません。
無理に薬をすすめることはなく、お話を丁寧に伺ったうえで、生活の中でできるケアや選択肢をご提案します。
まとめ:パニック発作が起きたとき、まずするべきこと3つ
- 「これはパニック発作」と気づく
- 呼吸を整え、とくに「吐く」ことを意識する
- 身体感覚に戻ることで「今」に集中する
執筆:精神科専門医、医学博士
【監修】 メディカルクリニックルナ東京