なんとなく気分が沈む、集中できない、人と話すのがつらい——でも、病院に行くほどではない気がする。そんな心の疲れを抱えていませんか?
今回は、病気というほどではないけれど心が疲れたときに試してほしい、5つのやさしい対処法をご紹介します。
はじめに:病気じゃない「心の疲れ」が、実は一番しんどい
「ちゃんと寝ているのに、朝起きるのがつらい」
「人と話すのがしんどい」
「特に理由はないけれど、気持ちが重い」
そんななんとなくしんどいという感覚、ありませんか?
病気とまでは言えなくても、放っておくと気づかないうちに日常生活に影響が出てくることがあります。
今回は、「診断がつくほどではないけれど、心が疲れているかもしれない」と感じている方へ、今日からできる5つの対処法をご紹介します。
心が疲れたときの対処法5選
対処法1:「情報断ち」の時間をつくる
スマホを見ている時間が長くなると、知らないうちに心が外の情報に振り回されてしまいます。
特にSNSやニュースでネガティブな情報に触れ続けていると、脳は常に緊張した状態から抜け出せません。
1日30分でもいいので、意識的にスマホから離れる時間をつくってみてください。自分の内側だけに目を向ける静かな時間が、疲れた心を少しずつ回復させてくれます。
対処法2:「あえて、何もしない」時間を予定に入れる
予定が埋まっていないと、なんだか落ち着かない——そんなふうに感じることはありませんか?
でも、心が疲れているときに必要なのは「何かをすること」ではなく「何もしなくていい時間」です。
カレンダーに【空白の30分】をあらかじめ入れておくのがおすすめです。生産性を気にしなくていい時間をつくることで、頭と心を整える余白が生まれます。
対処法3:「気持ちのログ」を書いてみる
「モヤモヤするけど、理由がわからない」——そんなときは、気持ちを言葉にして書き出してみてください。
やり方はシンプルです。朝でも夜でも、自分にこう問いかけてみましょう。
「今日は何に疲れたんだろう?」 「どんなときに、少しホッとできた?」
思考を整理するだけでなく、自分の気持ちをそのまま受け止めてあげること自体が、心の回復につながっていきます。
対処法4:五感を通して“今ここ”を感じる
心が疲れていると、頭の中は過去や未来のことでいっぱいになりがちです。
そんなときは、五感を意識的に使うことで「今この瞬間」に意識を戻すことができます。
たとえば、
温かい飲み物のカップを両手で包んでみる。
好きな音楽を1曲だけじっくり聴く。
外に出て、ゆっくり深呼吸をする
——それだけでも構いません。
これはマインドフルネスの一種で、心を落ち着かせる効果があることが科学的にも示されています。
対処法5:「話せる場所」を確保しておく
自分の気持ちを誰にも話せない——この状態が続くと、心の疲れは少しずつ積み重なっていきます。
友人でも、家族でも、カウンセラーでも、医師でも構いません。「ここでなら話しても大丈夫」と思える場所を一つ持っておくだけで、心の回復力は大きく変わります。
「病院に行くほどではないかも」と思っていても、気軽に話を聞いてもらえる場所として、心療内科を利用される方も増えています。
おわりに:心の疲れは「早めのケア」がいちばん効く
心の疲れは、悪化してからだと回復に時間がかかることが少なくありません。
風邪と同じで「なんか調子がおかしいな」と感じたときが、ケアを始めるベストなタイミングです。
無理をしない、がんばりすぎない。「今日は少しゆるめに過ごそう」と決めるだけでも、心はふっと軽くなります。
▶ 関連コラム
📍ご相談だけでも、お気軽にどうぞ。
もし、あなたが
「このくらいで病院に行っていいのかな?」
と悩んでいるなら、それは十分に相談のサインかもしれません。
「なんとなくしんどい」気持ちにこそ、目を向けることが大切です。メディカルクリニックルナ東京では、診断がつかなくてもご相談いただける体制を整えています。どうぞ安心してご連絡ください。
文責:院長(医学博士、日本専門医機構認定精神科専門医、精神保健指定医)
監修:メディカルクリニックルナ東京