〜「食べられない」から始まる、こころと身体のつながり〜
現代の忙しい生活では、ストレスが原因で「なんだか胃が重い」「消化がスッキリしない」と感じる方が増えています。そんなとき、無理なく取り入れられる簡単な習慣で、胃腸をやさしくサポートしませんか? ここでは、消化力を高め、ストレスに負けない体を作る4つの方法をご紹介します。忙しい方でも今日から実践できるものばかりです!
1. 食前に温かい飲み物で胃腸を温める
冷たい飲み物は爽快ですが、胃腸を冷やし、消化酵素や胃酸の働きを抑えることがあります。一方、白湯やハーブティー(ペパーミントやしょうが)を食前にゆっくり飲むと、胃腸が温まり、消化がスムーズに。
実践のポイント:
- 40~50℃の温かさがベスト。熱すぎる飲み物は避けましょう。
- ペパーミントは消化不良を和らげ、しょうがは吐き気を抑える効果も。
- 胃酸過多や逆流性食道炎の方は、ペパーミントが合わない場合があるので、医師に相談を。
2. よく噛んで、ゆっくり食べる
「よく噛むこと」は、消化の第一歩。1口20~30回噛むと、唾液に含まれる消化酵素が働き、胃への負担が減ります(American Journal of Clinical Nutrition, 2011)。また、ゆっくり食べることで満腹感も得られ、過食を防ぐ効果も期待できます。
実践のポイント:
- 忙しいときこそ、1口ごとに箸を置くなど、意識してゆっくり食べる習慣を。
- 柔らかい食べ物は15回、硬いものは30回以上を目安に。
- スマホやテレビを見ながらの食事は避け、食事に集中するとより効果的です。
3. 姿勢と呼吸で胃腸をリラックス
猫背や浅い呼吸は、胃腸を圧迫し、消化機能を低下させることがあります(The American Journal of Gastroenterology, 2022)。食後に背筋を伸ばし、ゆっくりした腹式呼吸を3~5回行うだけで、副交感神経が活性化し、胃腸がリラックスモードに切り替わります。
実践のポイント:
- 食後すぐに深呼吸しすぎるとお腹が張る場合があるので、軽く数回から始めましょう。
- 背筋を伸ばすときは、自然な姿勢を意識。無理に反らすと逆効果に。
- 簡単な腹式呼吸
4. ストレスを軽くするミニ習慣を取り入れる
ストレスは交感神経を過剰に刺激し、胃腸の動きを鈍くします(Journal of Physiology and Pharmacology, 2011)。数分間の呼吸法や瞑想は、自律神経のバランスを整え、消化をサポート。忙しい方でも、1日5分の習慣で心と体が軽くなります。
実践のポイント:
- 4-7-8呼吸法:鼻から4秒吸い、7秒止め、口から8秒吐く。1日1~2回、4セットから。
- 簡単瞑想:静かな場所で目を閉じ、呼吸に意識を集中。5分から始めてみて。
- ストレスが強い場合は、ウォーキングや十分な睡眠も効果的。慢性的な不調は医師に相談を。
それでも不調が続くときは、心療内科への相談も視野に
もし、これらを試しても回復しなかったり、
「食べられない状態が続く」「胃腸の不快感と不安感が同時にある」
といった症状があれば、内科を受診しましょう。内科受診でも改善しないのであれば、心療内科への相談も選択肢のひとつです。
当院・メディカルクリニックルナ東京では、
東京駅すぐの立地で、お仕事帰りでも通いやすい心療内科・精神科の診療を行っています。
「消化不良が、心の不調と関係しているかもしれない」
そんな気づきから、回復への一歩が始まることもあります。
あなたの「体感」を、大切にしてください
健康とは、数値だけでなく、「なんとなく調子がいい」「よく眠れた」「お腹の調子が整っている」など、日々の小さな体感の積み重ねでもあります。
ほんの少しのセルフケアと、必要に応じた専門的なサポートで、
こころと身体、どちらも心地よい状態を目指していきましょう。
文責 院長(医学博士、日本専門医機構認定精神科専門医、精神保健指定医)