軽症うつ病からの職場復帰|再発を防ぐ7つのポイント

うつ病からの職場復帰を象徴する、夕焼けのオフィスと都会の風景(アニメ風)
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軽症うつ病からの職場復帰|再発を防ぐ7つのポイント

うつ病の症状が落ち着いてきて「そろそろ仕事に戻らないと」と思っている方も多いでしょう。
でも、うつ病からの職場復帰は、タイミングや準備の仕方で結果が大きく変わります。

このコラムでは、軽症うつ病からの職場復帰を考えている方に向けて、再発を防ぎ、安定して働き続けるために知っておきたい7つのポイントをまとめました。

職場復帰を始める前に知っておきたいこと

1. 復職を急がない|「まだ休んでいい」が長期安定のカギ

主治医から「復職可能」と言われると「早く戻らないと迷惑をかけてしまう」と焦るかもしれません。
でも、復職のタイミングは非常に大切です。

医師の診断はあくまで医学的判断。実際には、職場の雰囲気やあなた自身の気力、体力も重要です。
焦らず、自分の回復ペースを大切にしましょう。

2. 原則は元の職場に戻る|人間関係が大きなストレスでなければ

「もっと楽な部署に行きたい」という気持ちは自然なことですが、原則としては元の職場に戻る方が望ましいとされています。

人間関係に大きな問題があった場合は例外として異動を検討しますが、そうでない場合は、自分の職場適応力をもう一度試すことが大切かもしれません。

無理だった場合は、その時点で異動を考えても決して遅くありません。

3. 復職前に職場へあいさつ|職場と自分の再会の第一歩

出勤を再開する前に、一度だけ職場にあいさつに行くのがおすすめです。
自分の机に触れたり、同僚と少し話すだけでも、心の準備になります。

職場の人も、あなたの元気そうな様子を見ることで安心します。
この顔出しが、お互いにとっての復職への第一歩となります。

復職準備のための実践的ステップ

4. 出勤リハビリで自分の調子を見極める|理想は1〜2週間の慣らし

可能であれば、正式な出勤の前に「通勤練習」や「半日出勤」などを1〜2週間行うのが理想的です。

  • 朝、いつもどおり起きる
  • 電車に乗って会社近くまで行く
  • 数時間だけ社内で過ごす

こうしたリハビリによって「やっぱりまだ早かった」と気づけることもあります。
逆に、調子よくこなせれば、自信にもつながります。

5. 復職後3か月は気分の波に注意|再発ではない小さな揺らぎ

うつ病が回復しても、復職後2〜3か月目に気分の不調が一時的に出ることがあります。

これは再発ではなく、回復期に見られる一過性のです。
本人も職場も「また悪くなったのでは?」と不安になるかもしれませんが、あわてず治療を継続すれば自然に落ち着くことがほとんどです。

薬の管理と再発予防の考え方

6. 薬の中止は慎重に|自己判断ではなく医師と相談

復職後「もう薬をやめてもいいかな?」と思うかもしれません。
でも、この時期の自己判断での中止は再発リスクが高まります。

たとえ軽症でも、安定した生活が定着するまで、薬は続けたほうが安心です。
副作用が少ない薬も多いため、医師と相談しながら少しずつ調整していきましょう。

7. うつ病の経験を「無かったこと」にしない|再発予防のために

「もう治ったし、あのときのことは忘れたい」
そう思うのは自然な反応です。
でも、うつ病の再発を防ぐためには、過去の経験を否定せずに向き合うことも大切です。

  • 「自分は疲れやすい傾向がある」
  • 「プレッシャーが強いときは早めに休もう」
  • 「人と比べすぎないようにしよう」

そんなふうに、病気の経験を自分を守る知恵として生かす視点が、これからの働き方を支えてくれます。

まとめ|少しずつでいい。あなたのペースで大丈夫です

うつ病からの職場復帰は、ただ「出勤できるようになること」ではありません。
再発せず、心地よく働き続けることが本当のゴールです。

焦らず、比べず、自分の調子を見ながら一歩ずつ。
その過程を、私たちも一緒に支えていきます。

執筆:医学博士 精神科専門医

監修:メディカルクリニックルナ東京

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