人間関係の悩みを減らす3つの考え方

人間関係は、日々の幸福感に大きく影響するものです。その一方で、私たちにとって最も大きなストレスの原因にもなり得ます。

「あの人にどう思われているのだろう」「どうして分かってくれないのだろう」

こうした思いを抱え続けていると、心は少しずつ疲弊していきます。

今回は、複雑になりがちな人間関係を整理し、悩みを根本から減らすための3つの考え方をご紹介します。


1. 「課題の分離」を意識する

アドラー心理学で知られるこの考え方によると、人間関係の悩みの多くは「他人の課題」に踏み込みすぎること、あるいは「自分の課題」に踏み込まれることから生じます。

自分の課題とは 自分がどう発言し、どう行動するか。相手に対して誠実であるかどうか。

他人の課題とは 相手が自分をどう評価するか、どんな反応を示すか、その日の機嫌がどうか。

何か悩みが生じたとき「これは誰の課題だろう?」と立ち止まって考えてみてください。たとえば相手が不機嫌だとしても、それは相手自身の問題であり、あなたがコントロールできることではありません。

自分にできる最善を尽くしたなら、その先の反応は相手に委ねる。それだけで、心の負担はずいぶん軽くなります。


2. 「期待」を「観察」に置き換える

怒りや悲しみを感じるとき、その背景には「こうしてくれるはず」「こうあるべきだ」という相手への期待が隠れていることがほとんどです。

期待があるからこそ、思い通りにならなかったときに「裏切られた」と感じてしまいます。

「普通はこうするでしょ」という自分なりの正解を、知らず知らずのうちに相手に押し付けていないでしょうか。

そんなときは、視点を「期待」から「観察」へ切り替えてみましょう。

「この人は、こういう場面ではこう反応するのだな」と、ひとつの事実として受け止めるようにします。

期待を手放し、目の前の事実をそのまま見るようになると、感情に振り回されにくくなり、より落ち着いたコミュニケーションがとれるようになります。


3. 「2:6:2の法則」を知っておく

どれほど丁寧に接しても、すべての人に好かれることは現実的に難しいものです。人間関係には、おおよそ次のような傾向があるかもしれません。

  • 2割:あなたのことを自然と好意的に受け入れてくれる人
  • 6割:状況や関わり方によって、関係性が変わりうる人
  • 2割:どう努力しても、相性が合いにくい人

多くの方は、この「合わない2割」をなんとかしようとして、エネルギーを消耗してしまいがちです。しかし大切なのは、最初から自分を大切にしてくれる人たちとの関係に力を注ぐこと。合わない相手に費やしていた時間やエネルギーを、大切な人や自分自身のために使ってみてください。


おわりに 自分自身の心地よさを大切に

人間関係の悩みを減らすために最も大切なのは、「他人がどう思うか」を基準にするのではなく、「自分がどうありたいか」を軸にして生きることです。

  • 自分と他人の課題を分け、コントロールできないことは手放す
  • 相手への期待を減らし、事実をそのまま受け止める
  • すべての人に好かれようとせず、大切な人との関係を育む

この3つを心がけるだけで、気持ちは穏やかになり、日々をより軽やかに過ごせるようになるかもしれません。

もし人間関係のストレスが続いて気持ちが落ち込む、眠れないといった症状がある場合は、お気軽に当院までご相談ください。

文責 院長(医学博士、日本専門医機構認定精神科専門医、認定産業医)

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