心療内科でできること・向き合い方
パニック障害について調べていく中で、
「治療といっても何をするのだろう」
「薬を飲まなければならないのだろうか」
と、不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
パニック障害の治療は、
症状を無理に抑え込むことや
不安を完全になくすことを目的とするものではありません。
ここでは、心療内科で行われる治療や考え方について、
できるだけ安心できる形でお伝えします。
パニック障害の治療の考え方
パニック障害の治療では、
「発作を起こさない人になる」ことよりも、
- 不安に振り回されにくくなる
- 発作が起きても、落ち着いて対処できる
- 生活の幅を少しずつ取り戻す
といった変化を大切にしていきます。
症状には波があり、良い日と不安な日が混ざるのが自然です。
良くなったり戻ったりしながら、少しずつ安定していく
そのような経過をたどる方が多くいらっしゃいます。
心療内科でまず行うこと
初診では、いきなり治療を始めるというより、
- どのような症状が、いつ頃から出ているか
- 発作の頻度やきっかけ
- 生活や仕事への影響
- 不安に対して、これまでどう対処してきたか
などを丁寧にお伺いします。
**「正しく話せるか」「うまく説明できるか」**を
心配する必要はありません。
断片的な話でも問題ありませんし、言葉に詰まっても大丈夫です。
薬を使う治療について
パニック障害の治療では、薬を使う場合と使わない場合があります。
薬は、
- 不安の強さを和らげる
- 発作への過度な恐怖を落ち着かせる
といった目的で使用されます。
ただし、
必ず薬を使わなければならないわけではありません。
症状の程度や生活状況、ご本人の希望を踏まえて検討します。
「薬に頼りきりになる」「一生やめられない」
といったイメージを持たれる方もいますが、
必要な期間だけ使い、状態に応じて調整していくケースも多くあります。
薬以外の治療・サポート
心療内科では、薬だけでなく、
- 不安や発作への向き合い方を整理する
- 発作が起きたときの対処を知る
- 不安を避けすぎない生活の工夫
なども大切にします。
「不安を感じてはいけない」と思うほど、
かえって不安が強くなることがあります。
不安を敵にせず、
「不安があっても大丈夫」という感覚を育てていくことが、
回復につながることも少なくありません。
治療期間の目安について
パニック障害の治療期間は、人によって異なります。
- 比較的短期間で落ち着く方
- 波を繰り返しながら、ゆっくり安定していく方
どちらも珍しくありません。
大切なのは、
「早く治らなければいけない」と自分を追い込まないことです。
治療は競争ではなく、
あなたのペースで進めていくものです。
心療内科を受診する意味
心療内科は、
「症状が重い人だけが行く場所」ではありません。
- 不安を整理したい
- 今の状態がどうなのか知りたい
- これからどう向き合えばいいか相談したい
そのような理由で受診される方も多くいらっしゃいます。
一度相談することで、
「思っていたより安心できた」
「一人で抱えなくてよかった」
と感じられることも少なくありません。
最後に
パニック障害の治療は、
「頑張って不安をなくす」ことではありません。
不安があっても、
少しずつ日常を取り戻していくこと。
その過程を、専門家と一緒に考えていくこと。
それが、治療の本質です。
あなたの状態や気持ちに合わせた選択肢は、必ずあります。
無理のない形で、一歩ずつ進んでいきましょう。


