「パニック障害かもしれない」と感じて調べていく中で、言葉の意味がよく分からなかったり、難しい説明に不安が強まったりすることがあります。ここでは、パニック障害とはどのような状態なのかを、できるだけ専門用語を避けながら、わかりやすくお伝えします。
パニック障害とはどんな状態?
パニック障害は、突然強い不安や恐怖とともに、身体の症状が現れる発作を繰り返す状態です。多くの場合、発作は前触れなく起こり、強い動悸、息苦しさ、めまい、手足のしびれ、「このまま倒れるのでは」「死んでしまうのでは」という恐怖感などが一気に押し寄せます。これらの症状は非常に強く感じられますが、命に関わるものではないとされています。
パニック発作とパニック障害の違い
ここで混乱しやすいのが、「パニック発作」と「パニック障害」の違いです。パニック発作は、一時的に強い不安や身体症状が出る状態を指します。一方、パニック障害は、発作そのものだけでなく、「また起きたらどうしよう」という不安が続き、日常生活に支障が出ている状態を指します。つまり、一度発作が起きたからといって、必ずしもパニック障害になるわけではありません。
なぜ突然起こるのか(原因について)
パニック障害の原因は一つではありません。関係すると考えられている要素には、強いストレスや疲労の蓄積、生活リズムの乱れ、不安を感じやすい性格傾向、自律神経のバランスの乱れなどがあります。「心が弱いから起きる」「気持ちの問題」というわけではなく、心と体の両方が関係している状態と考えられています。
検査で異常がないのに症状が出る理由
パニック障害が疑われる場合、多くの方がまず内科や救急を受診し、心臓や脳などの検査を受けます。その結果、「特に異常はありません」と言われることがほとんどです。これは、身体に異常がないのに苦しい、という状態が起きているという意味であり、「何も起きていない」「気のせい」ということではありません。体が強い緊張状態に入り、自律神経が一時的にうまく働かなくなることで、実際に身体症状が現れるのです。
パニック障害は治る病気?
パニック障害は、適切な対応や治療によって、症状が落ち着いていくことが多い状態です。薬物療法、不安との向き合い方を整える治療、生活リズムの調整などを組み合わせながら、その人に合ったペースで改善を目指していきます。すぐに完全に消えることを目標にするのではなく、「不安に振り回されにくくなる」ことを大切にしていきます。
不安を感じたときに大切なこと
パニック障害について調べる中で、「一生治らないのでは」「ずっとこのままなのでは」と不安が強くなる方もいます。ですが、不安を感じること自体は異常ではないこと、症状には波があること、一人で抱え込む必要はないこと——まずはこの3つを知っておいてください。
次に知っておいてほしいこと
パニック障害について理解したうえで、次に多くの方が気になるのが、「放置しても大丈夫なケースはあるのか」「どのタイミングで受診を考えればよいのか」という点です。

